AIで声は蘇る?要は倍音

コラム(27)

今日は、NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」を観て、想うところがたくさんあったのでシェアしますね。

 

NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」/画像は番組公式サイトより

 

オンエアは9月29日でした。

私は、一昨日NHKオンデマンドで購入して観ました。

 

人口知能・AIで美空ひばりの歌声を蘇らせる、1年がかりのプロジェクトです。

NHKやレコード会社に残る音源や映像をもとに、国内最高レベルの技術者がAIを開発。

新曲の作詞は秋元康、衣装デザインは森英恵、振り付けは天童よしみというすごい布陣でした。

 

ちなみに上の写真はそうして制作された美空ひばりです。

最後に関係者や長年のファンを招待して一曲だけの新曲披露コンサートを開いたんです。

 

どうやって歌声を蘇らせたか、というと。

膨大な美空ひばりの音源データを(1500曲あまり)分析して行きます。

美空ひばりは4オクターブの声が出たそう。

濁音を含め50音全ての音を4オクターブ分データ化する。

さらに一つの音ごとにビブラートの要素、地声、裏声、様々な表現を組み合わせて音をデータ化します。

天文学的な作業なので人間の手作業では不可能です。

ですが、AIが自ら学習を繰り返すディープラーニングというというシステでこれをクリアしていきます。

こうして美空ひばりの歌い方のルールを見つけ出していきます。

これを担当したのは、歌声合成ソフトボーカロイド、初音ミクを開発したヤマハのエンジニアです。

 

開発から半年で、AIが驚異的なスピードで成長。

試しに映画「アナと雪の女王」の「Let It Go」をAIに歌わせていました。

決して聴くことができないはずの美空ひばりのアナ雪

非常に面白かったです。

まだまだとエンジニアは言っていましたが、かなり近づいてきました。

 

美空ひばり復活コンサートを1か月半後に控えた日。

開発中の歌声を、美空ひばり後援会の方たちに聴いてもらいました。

講演会の方たちは、生前コンサートに足を運び、晩年は裏方としても支えて病室にも通われていた方々です。

その方たちの意見は非常に厳しいものでした。

AIの歌声では、歌詞が分からない。

ひばりさんの歌声は言葉がはっきりしていた。

さらに、ひばりさんの声が持つ独特の力が感じられない。

ひばりさんの声は、濃い空気のなかにいる気持ちになるが、その空気が足りず、浅かったというのです。

 

今回の新曲は本当の新曲。

その作詞を担当する秋元康さんにも聴いてもらっても意見は同じ。

人間味がない。

楽譜通りに的確にデータ通りの歌い方ではなく、雑味、人間臭さ、温かみが欲しい。

AIは正確には歌えているが、人を感動させることが出来ていなかったのです。

 

ここから美空ひばりだけが持っていた「人を感動させるもの」とはなんだったのかという分析が始まります。

番組では歌声解析の研究者に分析を依頼しました。

すると。

その正体の一つは「高次倍音」であることがわかりました。

歌手ですと5000Hzぐらいまでの倍音は出すのが普通だけど、美空ひばりは7000Hzまで出ていたんです。

 

あ、倍音についてちょっと復習しますね。

例えば、ピアノの真ん中のドの音を叩く。

ドは261Hz。

1秒間に261回振動している。

これを基音と言います。

でも実際には261Hzだけ鳴っている訳でなく、1オクターブ上のド、

2オクターブ上のド、さらに、さらに高い周波数が鳴っています。

これが倍音です。

 

ちなみに88鍵ピアノの一番高い音は4186Hzです。

美空ひばりの7000Hzにははるかに及びません。

 

美空ひばりはやたらと高次倍音を出している訳でなく。

一曲のうちの2〜3箇所だそう。

「川の流れのように」だとサビの

ああ〜川の流れのように、の「か」の部分のみ。

一つ一つの音の周波数を使い分けているんですね。

そんな歌手は他にはいないとのこと。

神秘の歌声とか七色の声と言われた所以であり

涙を誘い、感動を産んでいたのです。

 

AIに倍音のテータを覚えさせます。

 

さらに分析が進むにつれて意外なこともわかってきます。

人間の耳には非常に正確な音程に聞こえる美空ひばりの歌ですが。

分析すると、実はそれほどでもない。

というか、機械のような正確さではなかったということ。

それが人間味として感じれらた部分の一つだったんですね。

 

これ、考えさせられました。

ちょうどタイムリーにライブのために一人カラオケをしてきたあとだったんです。

採点ありで。

なかなかハマります。採点ありのヒトカラ。

いろいろと細かく機械は分析してくれます。

思うように点数が伸びないと熱くなってきます。

特に「表現力」の項目が伸びないんです。

これって悔しいじゃないですか(笑)

(調べたらコツがあるんですね、表現力で高得点出す秘訣。いつか改めて書きますね)

でもふっと思っていました。

満点だったら人は感動するのかな?

必ずしもイコールでないんでは??

そんなことを思っていた直後に観たこの番組。

 

最後の一曲だけの新曲コンサート。

私は泣きました。

ちょっと人工的を感じさせる滑らかでないところもあったけど。

素晴らしいものでした。

AIが、っていうより美空ひばりがすごい!って思った。

美空ひばりを超える人はまだ日本に出ていないです。

ちなみに美空ひばりは、完璧になるまでものすごく練習する人でもあったそうです。

 

AIは、結論からすると美空ひばりの歌声を蘇らせることができたんです。

少なくても多くの人が感動して涙を流すほどには。

では、AIがアーティストの役割までする日が来るのでしょうか?

もはや、AIが人間を越えていないのは芸術だけと言われています。

ま〜初音ミクもアーティストでありますから。

すでにそうなのかも。

人間、頑張らないと(笑)

 

とかいろいろ考えさせられた番組でした。

興味のある方は番組をこちらで購入できます。

https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2019102323SA000/?

 

AI美空ひばりの新曲、こちらで聴けます。

https://youtu.be/nOLuI7nPQWU

 

 

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